認定機器
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弁ばね用星型疲労試験機

製造年:1955

本機は弁ばねの疲労強度を評価するため、トヨタ自動車工業株式会社(現トヨタ自動車株式会社)により設計、試作された疲労試験機で、2個の偏心カムにより2種類のストロークと8個ずつ16個の弁ばねの疲労試験が可能である。星型疲労試験機はドイツに先例があるが、本機は2個のカムを併設することにより駆動軸の動的バランスを改善し高速運転を可能にしたもので、試作機にもかかわらず約半世紀もの使用に耐え、国産弁ばねの品質向上に果たした役割は大きい。この形式の疲労試験機はその後国内試験機メーカーにより製品化されたが本機はその原型とも考えられ、歴史的意義が大きい。

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荷重試験機 SF-25

製造年:1962

本機は、圧縮ばね・引張ばね用の荷重試験機であって機械式のシンプルな構造を有し、測定精度が高い。大型の回転式目盛りにより荷重が容易に読み取れ、荷重範囲の切り替えもレバーで容易に行えるなど多くの特長がある。またその後の国産試験機に数々の影響を与えたと考えられ、約半世紀を超えた現在でも使用可能状態にあり、歴史的価値が高い。

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バネ試験機

製造年:1942

本機は台秤式の卓上ばね試験機で、コイルばねに手動で種々のたわみを与え、これと釣り合う荷重を分銅と棹の目盛を読み取ることによりばね特性を測定するもので、ばね試験機の原型として希少なものである。第2次大戦中 陸軍用光学測定機器の製造を行っていた東京光学機械(現株式会社トプコン)製で、戦後長らく慶應義塾大学水野・久納研究室で使用・保存されていたが2006年に表記博物館に寄贈された歴史を有する。

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両端支持式ばね限界値試験機

製造年:1954

本機はDINに規定されている両端支持はり方式のばね限界値試験機で、薄板試験片中央に荷重を負荷し、永久たわみ量が規定の値になった時の曲げ応力からばね限界値を求めるものである。また支点を電磁加振して精度よくたわみ係数(曲げ弾性係数)を測定することも出来る。ばね限界値試験機としては最も歴史が古く、その後の国産機開発を促した点で技術史的価値が高い。

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モーメント式ばね限界値試験機

製造年:1967

本機はJISに規定されている片持はり方式のモーメント式ばね限界値試験機で、薄板試験片の自由端に曲げモーメントを負荷することにより曲げ応力を段階的に増加させ永久たわみ量が規定値を超えた時の最大曲げ応力でばね限界値を求めるものである。繰返したわみ式試験機では測定が困難なばね性の高い材料のばね限界値測定用に開発され、たわみ係数(曲げ弾性係数)を必要としないことや試料取付軸が回転するなどの特長を有する。本機は高度成長期の日本で開発され現在も使用されており、技術史的価値が高い。

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繰返したわみ式ばね限界値試験機

製造年:1967

本機はJISに規定されている片持はり方式の繰返したわみ式ばね限界値試験機で、薄板のほか細線の試験も可能である。これらの試験片の自由端に規定の初期変位を50 回与えて曲げ応力分布を安定化させた後、偏心ローラの調節によりたわみ量を段階的に増加させて永久たわみ量が規定値を超えたときの最大曲げ応力からばね限界値を求めるものである。また、たわみ係数(曲げ弾性係数)は重錘を用いて求める。本機は高度成長期の日本で開発され現在も使用されており、技術史的価値が高い。

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小型材料試験機 FSP-FS432

製造年:1955

本機はコイルばねの圧縮または引張試験の他線や薄板の引張試験も可能な小型試験機で、同一機種で現存最古のものと考えられる。設置面積が小さく負荷方式は電動または手動で荷重の計測はナイフエッジで支持されたレバー式である。高精度かつ高耐久性のこの試験機は戦前のアムスラー振子型ばね試験機を戦後の自動車産業や家電産業の勃興期に材料試験兼用機に改造したものと考えられる試料破断時の衝撃からナイフエッジを保護するためダンパーを付加するなど独自の改良も見られ 戦後の国産ばね試験機の歩みを示すものとして歴史的・技術史的価値が認められる。

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萬能試験機アムスラー式竪型

製造年:1941年(昭和16年)

本機はアムスラー型油圧式万能試験機(荷重容量30tf)を国産化したもので、昭和16年に横須賀海軍工廠に納入され、戦後、東海バネ工業㈱に譲渡されて ばねの荷重試験や材料試験に供されて来たものである。計力感度向上のための改良やSI単位表示への目盛板の変更など一部改造が認められるが、主要な機構は原型を留めており、製造以来75年余を経た今日でも年次の校正を受けて実用に供されている。このように本機は歴史的並びに国産試験機の耐久性を示すものとして技術史的価値が高い。