毎日のTODAY活動*を見ていると、どの部署も工程内の不良や、取引先メ
ーカからの品質不良に対しても、精力的に対応して頂いており頭が下がる思いがする。
そんな中でこれは素晴らしいと言える不良対策をしてくれているものがある。
私は機会があるごとに皆さんに話しているが、「不良対策の基本はトータルで金
と手間をかけずにやるのがベストだ」と信じている。例えば、自分のところで作っ
ている製品に不良が発生したとしよう。この対策として、部品や加工を追加したり
、検査を追加するなりして、手間や時間をかけて良品ができるようになったのでは
メデタシメデタシとは言えない。なぜなら、我々の製品がその対策したことで、得意
先に今までより高く買って貰えるでしょうか。答えは当然NOですね。得意先はスペッ
クに基づいて機能や性能を保証された商品を契約した価格で買っているのであって、
部品メーカの設計なり、製造工程なりの不具合のため、後から余分な金と手間をかけ
ても、その費用までは面倒を見てくれない。それはすべて部品メーカの負担となって
しまい、こんな対策をしているようではやがて儲からない商品を作るようになってしま
う。(念のため、品質を保証するためにはコストを無視した対策も必要となる場合があ
る)。今までと同じ儲けを出して行くには、不良対策をするときに、対策効果は同じで
も金や手間をトータルで余分に掛けないことである。できれば今までより安く対策できれ
ばベストである。
先日K係長が、この事例にピッタリの不良対策をしてくれたので、参考に紹介する。
コントロールBOXの組立てで、ゴムのチューブ(ストレート)が、途中で折れ曲がると
いう問題が発生した。カーブの部分ですから、成型したチューブを一本余分に使えば
簡単に対策はできるが、これではコストアップとなる。K係長はコントコールBOX全体の
チュービングを見直して、他の部分で使っている成型チューブを、ストレートに置き換
えてこれを転用するという、一寸した工夫でコストアップなしで簡単に再発が防止で
きる大変よい不良対策をしてくれた。小さな対策事例ですが、このような考え方が非常に
大切なことである。これからは不良対策をする場合、このように「トータルで金と手間を
かけずにやろう」を念頭において進めること。
*:TODAY活動とは朝一番で、現場に出て、毎日続けた品質活動の略。