皆さんの家で、万が一泥棒に入られたとしても、泥棒が逃げた後だったり、
人ごみの中に紛れ込んでしまったら容易に捕えることはできない。
これは品質についても言えることで、外注さんから(社内でも同じ)納入
された部品で、重大な不良が発見されたとき、皆さんはどうするか。外注さ
んに電話で選別にくるように言ったり、対策のために訪問する旨の話をするなら、
あなたは落第である。皆さんが外注さんのところにつくまでに、問題の本質にか
かわる部分は隠蔽されていて(もちろんすべてがそうではありません。また具合
の悪いところは人に見せたくないもの)問題を根本から解決することはできないであろう。
逆の立場を考えてみよう。当社で重大問題を起こしたときは、得意先の関係者がすぐ
来社し、現場を良く見てどこに問題があったのか、どうすれば再発が防げるのか、現場、
現物、現実で(本田技研ではこれを3現主義と言う)何時間でも時間をかけて解決して行
くであろう。このやり方が我々にも必要なのである。
日頃の生産活動の中では“品質は工程で作られる”と言う思想で、下請けさんとも一体
となって取り組んでいる。したがって不良品は、受け取らない、造らない、渡さない、こ
とが基本であるが、万が一、重要な不良が発見された場合には、これからは、“泥棒は現
場で捕まえろ”を合言葉にして現場に急行し、現場の人とも一体になって、3現主義で真
の原因を捕まえ対策をしてほしい。