当社の主要な製品の一つに、コンビネーションスイッチがある。ご存知のよう
にステアリングコラムに組付けてあって、ヘッドライトのON、OFFや、ターンシグナ
ル、ワイパーコントロールなどを操作するスイッチであるが、このスイッチがステア
リングコラムにどのように固定されているのか、またコラムカバーとはどんな関係に
なっているかまで知っている人は案外少ない。
当社としてはコンビネーションスイッチの機能、性能、外観はどんな場合にも検
査工程の中で全数チェックをし、またその機能や使われ方をみんながよく知って
いる。ところがコラムに取付ける穴、スリップリングを取付ける穴、コラムカ
バーを固定するボスのような、当社では使わない穴や、ネジなどは最終の組立て
では検査をしなかったり、使われ方を知っていない人もいる。もちろん部品単体
での保証はキチッとやっているかが、最終組立て状態で相手部品を組付けない部
分は問題があっても見逃されてしまう危険性がある。ところが得意先にとっては
この部分が駄目だとスイッチ自体が固定できなかったり、コラムカバーが取付か
なくなり大問題となる。
このような当社では使わないが、得意先で相手部品との組合わせ上で精度の
必要な部分は他の製品でもたくさんある。このような部分でも不良が一件発生
すればトラブル一件でカウントされてしまう。得意先まで流れて初めて不良が
発見され、散々油を搾られたうえで、不良対策書をかかされるようでは困る。
これからは、今まで以上に当社の製品の使われ方を勉強し、一見不要そうな
穴がなぜ必要なのか、一見不要そうな出張りがなぜ必要なのかを理解し、検査工
程の中に落とし込んで行こう。このとき注意すべき点がある。こうした検査を工
程の中に落とし込むとき、この検査のために特別一工程を追加するようではあなた
は落第である。
工程をよく分析して、
ナガラ検査…仕事の順序を工夫して仕事をシナガラまた他の検査をシナガラ、
特にこのために手間をかけずに検査をする。
フールプルーフ…治具や設備を工夫して不具合があれば取付かないとか、通過しないというようなバカ除け。
自動検査…設備の中に検査をインライン化する。
というような方法を取入れて、手間をかけない、お金のかからない、検査を上手にやってほしい。