Tech308

技術者の心得 : 実験の進め方に関する10ヵ条(その8)

開発と実験には技術者が必ず通る道がある

西畑三樹男  森川 愼

発表資料は個人、会社の宝であり、歴史でもある

 自分がやったこと、会社が売り出す商品は、世の中に出してその真価を問わなければ 相手にもされず、なんの価値も見出すことができず死体である。

 このため技術者の職務は、必ず技術資料や報告書の作成、社内発表を行うことが義務 づけられる。内容的に価値のあるものは、学会論文に投稿してその真価を問うこともできる。

(イ)原稿作成には自分自身で線表を引かないと書けない。
 原稿を書きあげることは簡単なようでできないものである。これは自分で線表を引き、 何時までに仕上げるか、自分を説得することである。
(ロ)原稿は自宅で書く。
 会社では実験をやり、原稿書きは会社では許されない。それは給料を貰っているからである。
(ハ)原稿は必ず査読して貰う。
 文章における“てにをは”をきちんと使うことは難しい。書いた原稿は必ず先輩か、 たまには恋人に見て貰って、赤鉛筆で訂正して頂くことを心がけることである。