技術会社における、開発、設計、研究、製造、検査、営業など、日常、行っている仕事に
は特別の格差もなければ、能力差もない。
反面、差があるとすれば、その仕事に対する技術屋としての対処の仕方、取り組み方に
よるもので、一日の仕事を時間割りにした労働で過ごすか、絶えず、未知数な問題に挑戦し、
解決を試みているかの考え方によるものであると思われる。
日常の仕事においては、何時も好結果ばかりが得られるものでなく、ときには想像できない
難題に出合う場合の方が多い。
前述したように、商品開発の成功は、失敗の繰返し、すなわち、マイナスデータの蓄積に
より成立っているものである。このマイナスデータにおける“なぜか”を技術屋として、
また、企業として引出すことができるかどうかがノウハウであり、技術とは、きれいごとや、
もっともなグラフで表現できない一面があることを忘れてはならない。反面、技術屋は自分
の仕事に自信と誇りをもつべきである。