Tech301

技術者の心得 : 実験の進め方に関する10ヵ条(その1)

開発と実験には技術者が必ず通る道がある

西畑三樹男  森川 愼

実験計画(計画の良否がすべてを支配する)

 企業は、絶えず、美しいもの、性能のよいもの、寿命の長いもの、価格の安いものなど、 バランスのとれた商品を開発しなければ永続性はない。 その商品開発を行う場合、技術者が必ずやらなければならない実験があり、 その答え方、進め方、手法などを身につけることである。

 その第一が実験計画の設定で、つぎの各項目を明確にしなければならない。

(イ)目的、要求、問題の所在、検討期間
開発する商品はどの産業分野なのか、ねらいはどこなのか、さらにその要求値の上限はいくらで、 下限はどの程度まで許容するのか、商品化ができた場合の使用環境はどこか、例えば、大気汚染は どの程度なのか、それによって何年位の寿命保証をしなければならないか、販売価格はどの位に設 定するのか、完成する期間はどの位か。
たとえ、若い技術者でも開発実験に着手するには、当然、明確にしなければならない事項である。
(ロ)応用と将来技術への結びつき
新商品は、必ず競争相手があることを忘れてはならない。
(ハ)特許出願はしてあるか。